店舗紹介(立地、外観、雰囲気)
神楽坂駅近くのビル2階に構える三ツ星和食の名店「虎白」。白木のカウンターを中心に据えた店内は、洗練されながらも温かみのある空間。シェフの所作がよく見える特等席からは、料理が完成する瞬間までを堪能できる。格式の高さと同時に、肩肘張らず過ごせる空気感が魅力である。

コースやメニューの流れ
予約したコースは22,000円。薄さまで計算されたビアグラスで乾杯し、料理は序盤から驚きと発見の連続だった。
- 前菜:真鯛とふき、数の子 —— 熟成させた鯛の旨味と、食感のコントラストが絶妙。
- 揚物:稚鮎と筍の揚げ物 —— 八角塩がアクセントとなり、鮎の苦味と筍の甘味が鮮やかに響き合う。

- 炭焼き:ホタルイカとウニのもち米海苔巻き —— 濃密な旨味と炭火の香り。虎白を象徴する独創的な一品。

- 椀物:海老つみれ椀 —— 出汁の切れ味と繊細さが際立ち、シンプルながら完成度の高い一杯。
- 造り:金目鯛の炙り —— 出汁ジュレと薄切り茗荷が香り・食感を引き立てる。

- 煮物・焼物:すっぽんの煮こごり、のどぐろ焼き —— 季節感と職人技が光る逸品。
- 肉料理:焼き菜の花と牛肉、うずら温泉卵、花山椒 —— 奥行きのある香りと味わい。

- 温物:キンキとカブのすり流し —— 脂の乗りと優しさが調和。

- 食事:炊き込みご飯 —— 味噌汁と漬物でそのままでも、出汁をかけて茶漬けにしても楽しめる。

- 甘味:ハッサクアイス —— 爽快感と和の要素を感じる締め。
味わい・特徴の分析
虎白の料理は、奇抜さと王道が見事に同居している。素材ごとの個性を最大限に活かしながら、香り・食感・旨味の緩急を操る構成力が圧巻。特にホタルイカ海苔巻きや稚鮎の揚げ物は、力強さと繊細さを兼ね備えた“虎白らしさ”を体現する一皿だった。
お酒やペアリングの紹介
日本酒は「鍋島」「九頭竜」などが料理に合わせて供される。温度管理や提供のタイミングも緻密で、料理の魅力をさらに引き立てる。特に稚鮎やキンキのすり流しと合わせた際の調和は見事だった。

総評(価格・コスパ・印象・再訪意欲)
22,000円という価格は決して安くはないが、その体験価値を考えると十分すぎるほどの納得感がある。三ツ星の名にふさわしい完成度でありながら、リラックスして食事を楽しめる稀有な一軒。初訪でも虎白の世界観を堪能でき、再訪すればさらに奥深さを感じられるだろう。
訪問日
2017/04/20(夜)、移転前の記事


コメント