店舗紹介(立地、外観、雰囲気)
乃木坂駅からほど近い静かなエリアに佇む「山﨑」。白木のカウンターはくの字に配され、わずか8席という贅沢なプライベート感が漂う。天井が高く開放的で、椅子の背もたれが可動式になるなど、細部まで快適性が追求されている。凛とした空気の中にも温かさがあり、洗練された静謐な時間を楽しめる。

コースやメニューの流れ
茶碗蒸し:さぬきのめざめアスパラガスを使った茶碗蒸しに、海老とホタテを合わせる。火入れや食感の妙が際立ち、一口目から唸らされる完成度。

椀物:タラバガニの真薯は、うるいの葉に隠れて登場。利尻・羅臼昆布の出汁と調和し、派手さを排した理想的な和の一皿。
焼物・炭火:物集女のたけのこを炭火で焼き、もち米とふき味噌を合わせる。春を体現する香りと滋味深さ。金目鯛は4日熟成後に藁焼き、自家製塩麹で仕上げ、菜の花ソースで季節感を演出。

肉料理:焼きすっぽんと肝はゼラチン質や肉の旨味を豪快に味わえる。岐阜県産猪のタレ焼きは黒酢と干し柿のソース、カリフラワーを合わせ、脂の質感と奥深い旨味を堪能。

ご飯もの:ホタルイカと八尾若ごぼうのおじやは汁の旨味が凝縮した絶品。土鍋ご飯は「そぼろ卵漬け」「酒粕とすじこ」の二種。至高の卵かけご飯に仕上がっており、箸が止まらない。


デザート:出来立てアイスクリームはシェリー酒と干し葡萄の芳醇な香り。最後は44℃で淹れた玉露で締める。
味わい・特徴の分析
すべての料理に「理」があり、味だけでなく調理法や素材の必然性まで感じさせる。藁焼きや炭火焼、独創的な土鍋ご飯まで、伝統に依拠しながらも型に縛られない発想が光る。ひと皿ごとに和食の本質を考えさせられる構成だ。
お酒やペアリングの紹介
序盤はブラウンマイスターでスタートし、途中には「作・純米大吟醸」など日本酒も登場。香り高い新酒や出汁との相性を意識したペアリングが秀逸で、酒好きにも高い満足度を与える。

総評(価格・コスパ・印象・再訪意欲)
「山﨑」は、伝統と革新を“理にかなう形で結びつけた気鋭の和食店。価格は高めながらも、体験価値は圧倒的で、食後には深い納得感が残る。予約は既に1年以上先まで埋まっているが、それも当然と思わせる充実度。和食の新しい進化を体感したい人に強く薦めたい。
訪問日:2019/03/30(夜)


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