まき村~素晴らしいホスピタリティとコスパの三ツ星和食~

店舗紹介(立地、外観、雰囲気)

大森海岸駅から徒歩圏内、閑静な住宅街に突如現れる白壁のモダンな建物。それが三ツ星和食「まき村」(ミシュラン返上)である。外観の洗練さに続き、店内は静謐な和空間。女将をはじめとしたスタッフの細やかな気配りが心地よく、終始リラックスして過ごせる。三ツ星特有の張り詰めた緊張感はなく、温かみのあるホスピタリティが強く印象に残る。今回は個室を利用し、穏やかな雰囲気の中で食事を楽しんだ。

まき村の外観

コースやメニューの流れ

コースは、素材と技術の融合を体現する構成で進んでいく。

  • 先付:生雲丹と生湯葉の出汁ゼリー、長芋、穴子と胡瓜、新銀杏。シンプルながら繊細な仕事。
生雲丹と生湯葉の出汁ゼリー
  • 椀物:長良川産一夜干し鮎と冬瓜、刻みオクラ。鮎が冬瓜に触れないよう盛り付けられ、調和が見事。
  • 造り:千葉竹岡のマコガレイは弾力と旨味が印象的。大間本マグロは上質な海苔と共に供される。
大間本マグロ
  • 煮物:アワビの吉野煮。4時間蒸したアワビと白ずいきの組み合わせは、器の美しさも含め完成度が高い。
アワビの吉野煮
  • 揚物:鱧と大葉のうめ紫蘇コーン。サクサクの衣に爽やかさが加わり、旨さがダイレクトに伝わる。
鱧と大葉のうめ紫蘇コーン
  • 冷菜:トマトエキスのクリアジュレに花穂紫蘇と裏ごしジャガイモ。清涼感あふれる仕立て。
  • 炊合せ:蛸柔らか煮、南瓜、赤ピーマン、茄子、茗荷を純銀の器で。素材ごとの個性が一体感を持って調和。
蛸柔らか煮、南瓜、赤ピーマン、茄子、茗荷
  • 焼物:車海老と松茸。双方の旨味を高め合う組み合わせ。
車海老と松茸
  • 食事:魚沼コシヒカリを玄米から精米し、佐賀海苔と香の物でまず一杯。次に淡路天然鯛と胡麻ダレで二杯目。最後は鯛茶漬けで三段階の変化を楽しむ。
  • 甘味:市川の幸水梨とシャインマスカットで爽やかに締め。

味わい・特徴の分析

「まき村」の料理は、素材の力を最大限に引き出し、緻密な技術で昇華させたものばかり。特に鮎椀やアワビ吉野煮、鯛茶漬けは記憶に残る完成度。器の美しさや盛り付けも含め、食事全体に洗練と温かさが同居している。

お酒やペアリングの紹介

食前酒には南高梅のブランデーベースリキュール。濃厚な味わいが最初の一皿を引き立てる。その後は日本酒を中心に、料理とのバランスを意識したペアリングが続き、全体を通じて統一感が感じられる。

総評(価格・コスパ・印象・再訪意欲)

「まき村」は三ツ星和食の中でも特にホスピタリティに優れ、温かい接客と高いコストパフォーマンスで支持されている。料理、器、米、出汁、全てにこだわりが込められ、どの一皿にも納得感がある。価格は2〜3万円台と高級店の範疇だが、その内容を考えれば極めてリーズナブル。特別な日だけでなく、日常のご褒美としても心から薦められる名店である。

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訪問日

2017/08/22(夜)

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